本日の主役は、なんといってもT様!
……といっても、実は10月がお誕生ということではなく、
実は、そろそろターミナルの時期であることをご家族や多職種で話し合い、
よりよいケアを模索し、
カンファレンスを開催していらっしゃる方です。
秋月でのターミナル・ケア……いわゆる「お看取り」です。
日常的なケアもより丁寧できめ細かなものになりますし、
ご家族やご本人の希望をできるだけ叶えられるよう、
細やかに現状報告をしたり、話し合いを重ねます。
当然のことですが、ご相談いただくご要望は一人ひとり異なり、
「数時間でも家に帰らせて、家族や友人と過ごす時間を持ちたい。」
「本人が食べたがっているラーメンを作って食べさせてあげたい。」
「施設で会食をしたい。ビールが好きだった本人を賑やかに囲んであげたい。」
「身ぎれいな人だったから、髪を切ってあげたい。」
「本人が好きだった音楽や講話をきかせてあげたい。」
「できるだけ家族が一緒に過ごしてあげたい。」etc…
ここに挙げたのはほんの一例ですが、
ご家族の皆様と話し合いを重ねるほど、
その方らしいエピソードとともに、多岐にわたる様々なご相談をお受けします。
今回、T様のご家族が希望されたのは、
お孫様のフルートの演奏でした。
T様のお孫様、以前にもユニットで演奏を披露して下さったことがあるのですが、
今回は10月のお誕生会に合わせてスケジュールを調整して下さり、
この日は更に、お嬢様やほかのお孫様のご家族も
いらっしゃって下さいました。
うららかな秋の日の午後、ユニットの利用者様ものんびり。
「フルートなんて素敵だね。」
「歌詞が置いてあるよ。『ふるさと』、この曲は知ってるよ!」
T様のお孫様が、有名なクラシックの曲や、
「はなみずき」などよく知られているJ-POP等を披露して下さり、
皆うっとりと聴き入ります。
ユニットの中央には、T様と、
T様に寄り添うお嬢様。
少し離れたソファのところでは、
お孫様やひ孫様のご家族も一緒に、
フルートの演奏に耳を傾けていらっしゃいました。
「素敵だねぇ。」
「いい曲だね。」
「フルートの音色って、優しくて何とも言えないあったかみがあるね。」
立ち合っていた職員も、思わず聞き惚れてしまいました。
コンサートの後にはお誕生会のケーキ。
いつもより美味しく感じられたのは、
やはり素敵な音楽のなせる業でしょうか?
いつもよりちょっぴり優雅なお誕生会のひと時を過ごした皆様でした。
T様、T様のご家族様、
本当に有難うございました。