9月末日、石神井特別支援学校から
中学生の皆さんが遊びに来てくれました。
実は、単なる授業……ということだけでなく、
社会福祉協議会も間に入っての事業ということで、
施設・学校・社会福祉協議会が何度か入念な打ち合わせを重ね、
実現に至った今日でありました。
生徒さんのうち何人かは、秋月のお向かいの児童デイ「くまさん」に通っており
秋月に来たことがある顔馴染みのお子さんでした。
しかし、大半の生徒さんにとっては、
秋月は見知らぬ初めての場所。
知的障害や自閉症等を抱える子どもたちにとって、
慣れない環境や、そこで起こる予想外の展開というのは
大変ハードルが高いものなのだそうです。
いらっしゃっていただく生徒さんたちが、
緊張せず、いつもの姿でよい交流が図れるように……
ちょっとしたことですが、
色々な配慮が必要であると私たちも改めて勉強になりました。
まずは、今回の交流の窓口となってくれたF介護課長から、
本日の流れや気を付けたいことを含め、ご挨拶!
そして引率の先生からも一言頂きました。
「子どもたちと一緒に、
皆さんのために一生懸命練習してきました!」
有難いことです。
そしていよいよ生徒さんたちとご対面です!
やはり皆、若干緊張した面持ちでしたが、
そこはさすが人生の大先輩、
利用者の皆様があたたかい笑顔と拍手で迎え入れて下さいました。
「頑張って!」「しっかりね!」
そんな声援も聞こえてきます。
利用者様になじみ深い童謡「ふるさと」の合唱や、
歌に合わせて簡単な振り付けを披露して下さったり、
学校側が用意してくれた楽器で利用者様も一緒に演奏に参加したり…。
多彩なプログラムの半ばでは、
子どもたちにも利用者様にもカラフルな筒が配られ、
リズムやメロディに合わせ、振ったり、打ち鳴らしたりして楽しめる場面もありました。
「なんだか楽しいねぇ!」
「スポーツの応援みたいね。」
利用者様にも、生徒さんたちにも、
無邪気な笑顔が広がっていきます。
体も心もほぐれ、会場の雰囲気にも
だいぶ慣れてきた様子の生徒さんたち。
最後は1対1での手遊びと、手作りのカードのプレゼント。
「難しいわねぇ、こう? こうかしら? あら、いやだ間違えちゃったわ~。」
「はい、どうも有り難う!」
嬉し恥ずかしを全身で表現する生徒さんたちに、
微笑ましい気持ちで心からのエールを送る利用者の皆様。
一生懸命で屈託のない生徒さんたちの笑顔に、
職員も、利用者様も、癒されたひとときとなりました。
介護の世界では、現実に法制度が追い付かず、
ご家族や私たち福祉関係者が歯がゆい思いをすることがたくさんあります。
障害を負って生きていく子どもたちや、
その周りにでご本人を支えていく人たちも、
きっと同じように、あるいは私たちが想像できる以上のご苦労をされていらっしゃることと思います。
「福祉」という言葉で括られてしまうことも多いですが、
障害者分野と高齢者分野は似て非なるもの。
共通点もありますが、実はお互いに知らないことも多いのです。
「ノーマライゼーション」なんてことばが流行った時期がありましたが、
誰もが自分らしく在れる社会を実現する第一歩は、
相手を知ることかもしれません。
勿論、数時間の交流では限界もあるでしょうが……
しかし、こうした接点を重ねていくことで、
地域や社会にとって、
あるいは来てくれた生徒さんにとって、
あるいは秋月にいらっしゃる利用者様にとって、
ささやかでもよい変化があればと願います。
……と書くと大仰ですが、
利用者様と子どもたちが心から交わした笑顔、
それがこういった地域交流の真髄なのかも。
石神井台特別支援学校の皆様、
ぜひまた遊びに来て下さいね!