毎年4月、必ず施設長からの職員研修が行われます。
テーマは「職業倫理について」。
日々、介護をする中で
改めてこんなことを考える機会は少ないと思います。
日々、時間に追われ、目の前の介護に追われ、記録に追われ……。
でもふと立ち止まって考えてみると、
「あれ?」ということも結構あったりします。
トイレに行きたいと仰るご本人に、
「さっき行ったからちょっと待って下さいね。」という声掛けは正しいのか?
おうちに帰りたいと繰り返して訴える方へ、どんな対応をしているだろう?
ユニットのTVのチャンネルは何に合わせておいたらいいか?
あっちからもこっちからもコールで呼び出される中、
お話をきいてほしそうなご家族や利用者様を見かけたら……。
当然のことですが、利用者様は一人ひとり異なられており、
持っているご病気や認知症の症状、もっといえば生い立ちや生活歴もまったく違います。
生活の中で気を付けなければいけないこともそれぞれ異なり、
細やかに配慮をしようと思えば1対1でもきりがないほどです。
けれども、仕事はある程度要領よく進めなければいけないのもまた事実。
「職業倫理」とは、社会人として仕事に就いている上での決まりやルール。
噛み砕いていえば、やっていいこと・いけないことの区別とでもいうのでしょうか。
しかし上記に挙げたように、
何を優先するか? 介護の具体的な場面で悩ましい瞬間はたくさんあります。
毎年4月のこの研修は恒例のものですが、
今年度は毎週開催され、色々な職種が参加致しました。
参加人数は4週間で80人、
研修の参加としては今までで最高の人数でした。
日々のケアで何が大切か?
初心に立ち戻って自分自身を見つめ直すことは、
どんな仕事でも大切だと思いますが、
対人援助の現場においてはひときわ大切なことだと感じます。
法律、職場の慣例、小さな現場のルール…、
そんなものに守られたり、時には縛られたりしながら、
日々の業務をこなしていくのが精いっぱい、という職員も多くいると思いますが、
改めて「職業倫理とは」と問われると、
人生観や価値観、もっといえば自分自身を問われているような、
そんな気持ちになります。
「あなた」にとって、何が大切か?
気持ちがぐっと引き締まるような、
職員一人ひとりの士気が高まるような、
そんな施設長の講義でした。
この気持ちを忘れずに、毎日頑張っていきたいですね!