最近利用し始めたN様。
最近までヘルパーさんとして働いていましたが、認知症症状があらわれ、仕事に支障が
でき、しぶしぶ退職したそうです。
退職した後もヘルパーとして働きたいという意思があったと娘さんより伺いました。
介護の仕事をしていたということもあり、デイへ行くのには抵抗があったようです。
そのため、初回訪問時にはあまり気が乗らない様子でした。
車の免許を返納や、娘さんが住む近所に引っ越し、環境の変化もあったためか、
外出が減り、自宅で過ごすことが多くなりました。
そんなN様ですが、体験利用から本利用に繋がり、
週一回から、週2回の利用になりました。
N様がヘルパーをしていたという情報より、うちへ来て何かできないか、
利用者様という立場ではあるが、支援されるばかりでなく、
何かお手伝いのような役割ある仕事ができないかとはなしていましたが、
具体的には決まっていませんでした。
そんな中、別の利用者様の口腔ケアや移動がスムーズにいかず困っていました。
職員の中から、N様に手伝ってもらってはダメなのか?という提案があり、
N様にもきちんと説明しN様の了承を得た上で行ってもらいました。
職員と二人で利用者様の口腔ケアを行います。
「口をあけてくださいね。」等とやさしく声をかけ、表情は笑顔でした。
いつもはなかなか外せない義歯をスムーズに外すことができ、口腔ケアは無事終了。
口腔ケアをしてもらった利用者様も笑顔、一緒に行っていた職員も笑顔、
もちろんN様も笑顔です。
「助かりました。ありがとうございます。」とお礼を言うと、
「いえいえ、なんでも言ってくださいね。」と笑顔で返してくれました。
これぞ、その人らしさではないでしょうか。
これぞ、強みを生かしたケア、その人の役割ではないかと思いました。
またまた、介護の仕事の面白さを実感した事例でした。