3ABユニットのおしどり夫婦、W夫妻!
ぴかぴかの晴天の本日、近くのショッピングセンターまでお買い物に出掛けることになりました。
ご覧下さい、この笑顔♪
「こんなとこ写真に撮ってどうするんだよ~。」
いえいえ、幸せいっぱいのこのお二人の笑顔をカメラに収めずして如何しますか!
近くのショッピングセンターでは、花と緑のコーナーも充実。
「ハイビスカスだって!もっと南の方で育つと思ってたけど、
上手に世話すれば東京でも咲くんだね。」
「これは紫陽花だね。色んな種類があるよねぇ~。」
「あっ、ナナホシテントウがいたよ!」
車椅子でも楽々通れるようにバリアフリーにして下さっている通路、
ちょっとした植物園気分で悠々お散歩を楽しませて頂きました。
「これは薔薇だね~。」
「薔薇も様々あるけど、これは本当にいい匂いだよ~!かいでごらんよ~。」
「本当だねぇ!」
農業高校出身の職員K氏は、花と緑のエキスパートです。
「たまにこういうお散歩、いいねぇ。」
「でしょ?」旦那様もにこにこ。
その後は、店内でお買い物。
奥様が買い物かごを持って下さいました。
「さすが主婦だね、買い物かごが似合いますよ!」
「そうだよ~、エプロン着けたら現役だよ~。」
お話しながら、店内を見て回ります。
ご病気との兼ね合いもあり、無制限に…というわけにはいかないのですが、
今日のお昼ご飯は、施設から提供する食事ではなく、
スーパーで買った好きなお惣菜で…と栄養士さんや看護師さんとも打ち合わせ済です。
「Wさん、くれぐれも今日、食べきれる分だけだよ~。」
「わかってるって!」
もと料理人のW様ですから、美食に対するこだわりは人並み以上!
品定めする目も、真剣そのものです。
しかし職員のチェックも光ります。
「こっちはパックが大きいから、小袋がたくさん入っているのに換えますよ~。」
「チーズは個包装のにしよう、食べきれないと傷んじゃう。」
「減塩の漬物があったけど、どうする?」
ご本人と相談しながら、譲れない一線に一つひとつ折り合いをつけていきます。
「奥さんにもなんか買ってやりたいんだけど、どうかな。」
「お砂糖の入ってない飲み物ならいいですよ。」
「甘いものはどうしてもダメかな。奥さん、大好きなんだけど。ちょっとだけ。」
「う~ん…、でも、やめた方が愛情だと思うな。病気が進んじゃったら、後悔するでしょう?」
「そうか…そうだなぁ。でもせっかく来たのになぁ、気の毒でなぁ。」
本来、施設はあくまで生活の場。
病院のような厳正な管理・制限よりも、
本来は生活の質(Quality of Life)・ご本人の意向を
できるだけ優先したい!!というのが、どの職員にも本音だと思います。
外出して好きなものを買ったり、外食したり…という楽しみは滅多にない特別な機会ですし、
それを楽しめる元気な心身を保てている方というのは、決して多くはありません。
長く高齢者施設で働く職員K氏は、
そのことはを痛いほどよくわかっています。
だからこそ、こんな機会は存分に楽しんでほしいし、
いつまでも元気でいられるように、
ご自身の健康も大切にしてほしい。
職員K氏の厳しいチェックの中には、
W様ご夫妻へのそんな想いがあるように感じられました。
そして、それが伝わるからこそ、
職人気質でちょっぴり気難しい、誇り高い旦那様も、
素直に職員K氏の話に耳を傾けて下さるのだと思います。
「それじゃあ、奥さんの分は諦めるかぁ…。」
今日のお昼に食べ切れる分…をちょっとオーバーしつつも、
食べきれなかった分は職員が冷蔵庫でお預かりし、
賞味期限を見ながら食べたい時にお出しすることで折り合いが付きました。
「奥さんにあげちゃだめだからね~。約束だからね~。」
「わかってますって!」
ご夫婦での時間を満喫し、笑顔で帰途につきました。
奥様はお散歩のために。
旦那様はお買い物のために。
愛情たっぷりの幸せなひと時。
ご夫婦の仲睦まじさに、
職員の方が幸せを分けて頂いたようでした。
W様、またご夫婦のお出掛けに、
お付き合いさせて下さいね♪