先日、体験利用をしたAさんのお話です。
A様は一日を布団の上ですごし、夫の介護を受けている方です。
私が一度自宅訪問した際も布団の上で寝たまま挨拶を交わしました。
体験利用当日はお洋服もきちんとなさっており、玄関先で座って待っていました。
挨拶を交わすと笑顔も見え、行きの車内では話も弾みました。
利用中はお風呂にも入っていただき、「気持ちよかった。」と言ってもらえました。
「これは利用に繋がるかもしれない。」と好感触を感じました。
送りの際、夫に利用中の様子をお伝えするために居間に上がらさせていただきました。
トイレ回数が多いA様は、自宅に着いた途端トイレに歩いて行かれました。
その後、台所の方で物音がし、「お父さん、引き戸があかん。」と呼びます。
「ちょっと失礼。」と夫が台所へ行きしばらくして戻ってきました。
手にはお盆に乗ったジュースが・・・。
「これを入れようとしよった。」と夫・・・。
いつもは寝て過ごしており、トイレの時しか動かないA様がジュースを入れてくれました。
夫も少しびっくりした様子です。
「いつもされるんですか?」とお聞きすると「こんなこと、久しぶり。」と夫。
デイの体験利用をして、少し活気が出たのか、お客(私)の為にお茶を
準備してくれました。
また、帰る際には玄関まで行き、私の靴の向きを変えてくれ「ありがとうございました。」
と挨拶をしてくれました。
私はこみ上げるものがあり、「これぞ、QOLが上がった瞬間や!すごい!」と
感動しました。
体験利用したことは忘れてしまっていましたが、感情記憶に何か伝えことができ、
その結果QOLが上がったのではと考えます。
いいように考えすぎて怒られるかもしれませんが、すごい気分のいい一日でした。